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この話は作り話です。
第1章〜つるとかめ〜
「さいきんさぁ〜。『つるとかめ』って流行ってるよね〜」
「え、なあに。それ」
「しらないのぉ〜」
「ほら、これだよ。」
「持ち歩いてんだぁ。」
「うるさいよ。ほら、貸してあげるから読んでみ?」
「うん、ありがと。」
「それ、絵本なんだけどね。」
「そ、けっこう面白いよね。」
「うん、わかった。明日返すね。」
「そんなに急がなくてもいいよ。」
どれどれ。早速読んでみましょ。
『昔のこと、山をはさんで つるの村と かめの村がありました
この二つの村は たいそう仲が悪く、いつもケンカするので
それに怒った神様が間に山を作ってしまったのです
それから長い間、この二つの村は全く交流がありませんでした
ある時、亀の村の娘、準子がこの山を登ろうと思いました
しかし亀の村の長老がそれはそれは怒ったのです
しかし準子はあきらめませんでした
皆が寝静まった夜に山を登ることにしました
それは大変な旅でした
しかし準子はあきらめませんでした
そしてついに登ってしまいました
頂上に着いた時、そこで見たものは鶴の姿でした
その鶴の名は太郎
準子と同じように山を登ってきたのでした
二人は初めて見た生き物に驚きましたが、すぐに仲よくなりました
二人は毎晩、そこで会う約束をしたのでした
しかし二人とも長老にばれてしまい、ひどく怒られました
二人とも夜は外に出れないように見張りがつけられてしまいました
二人とも何としてもあの人に逢いたい一心で村を抜け出してしまいました
そこで一生懸命またその山を登りました
しかし今度は神様がそれに怒りました
それから・・・・・』
あれ?ここで終わり?なの?
次の日の学校
「奈緒ちゃ〜ん。」
「あっ、未菜じゃない。おはよっ。」
「おはよう。これありがとね。」
「もう読んだの?」
「うん、読んだよ。」
「それで感想は?」
「何か変な終わり方だよね。これって。」
「そうなんだよね。」
「ほんとにあそこで終わりなの?」
「そうだよ、だから流行ってるのよ。」
「なんで?」
「だから、あの後は勝手に作っていいのよ。
その時の自分の感情とかもあるでしょ。
そういうのを入れて自分でラストを作るの。
そういうのが今とっても流行ってるの、ほんとに知らないの?」
「うん、知らなかった。」
「それはいいとして、それで未菜の終わりはどうなの?」
「どうって?」
「作ったんでしょ?ラスト。」
「ううん、まだ。」
「あっそ、まあいいわ。出来たら聞かせてね。」
「うん、わかった。」
ラストねえ、考えてみよっと。
どんなのがいいかなあ
神様が怒って村を二つともなくしちゃったとか
これじゃかわいそうか
う〜ん、どうしよ〜。
まあ、ゆっくり考えるとしましょ。
「未菜、お昼食べよ。」
「うん、お腹減ったね〜。」
「それでどうなったの?」
「なにが?」
「授業中も考えてたんでしょ。」
「す、するどいね。あいかわらず・・・。」
「それでどうなったの?」
「まだわかんないの。」
「そっか、未菜はけっこう詩人だからね。」
「そんなでもないよ〜。」
「まあ、期待して待ってるよ。」
「うん、わかった。」
「たぶんそれが今度の文化祭でやるものになるから。」
「え?」
「忘れてたんじゃないでしょうね。」
「え、そ、そんなことないよ。」
「台本書くのは未菜の仕事でしょ。
時間もそんなに無いんだから頑張ってよね。」
ひえ〜。すっかり忘れてたよ。
いつだったっけな。文化祭。
あと一ヶ月か。ということは稽古に2週間はかかるから・・・・
あと2週間しかないじゃない。
やば、早く作らないと・・・・

